プーラー ベアリングプーラー ギアプーラー使い方【徹底解説】

ギアプーラー Tools
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バイクや車、機械のメンテナンスにおいて、ベアリングの抜き取りは、最も神経を使う工程の一つではないでしょうか。
特に長年使い込まれた機械は、ベアリングの中のグリス切れなどでの異音や転がりの不具合が出ます。
ベアリングの経年変化や熱などによってベアリングが固着し、専用工具なしでは、取り外しが困難で素手では、太刀打ちできません。
そこで登場するのがベアリングプーラー、ギアプーラー、パイロットベアリングプーラーですが、種類が多すぎてどれを買えばいいかわからない?使い方が合っているか不安?という声を多く耳にします。
本記事では、プーラーの活用術をステップバイステップで解説し、爪の掛け方ひとつで変わる作業の方法や、部材を傷めないための保護のコツなど、メーカーの取扱説明書だけでは語られない現場の知恵を凝縮しました。
正確な知識を身につけることは、作業時間の短縮だけでなく、あなた自身の安全を守ることにも繋がるでしょう。

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ポーラー

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ギアプーラーとベアリングプーラーの基礎知識

プーラーの構造はシンプルで、中央の押しネジと爪(爪 ー 2本、3本)で構成されています。爪をベアリングに掛け、中央の押しネジを締め込むことで、軸を押し込みながらベアリングを引き抜く仕組みです。力のかかり方が安定するのが特徴です。

プーラーとは?基本の役割と仕組み

Q – 1ギアプーラーとベアリングプーラーの違いがよく分かりません。
A – 1 (プーラー)は軸に圧入された部品を引き抜くための工具の総称で、ギヤスプロケットプーリーベアリングなどを取り外す道具です。
ベアリングプーラーは、その中でもベアリングの外輪や内輪を確実につかめるように設計された専用タイプで、(爪の厚みが薄い物、爪が薄い物)、チャック式や内掛け式、セパレーター式などが代表例です。
ギヤプーラーは外側から爪で挟むことが多いのに対し、ベアリングプーラーは狭い場所の内輪を掴む構造になっているものも多く、どの部分のどこを掴むかで見分けると整理しやすくなります。
ギアプーラーでも、爪の長さや向き(外向き、内向き)などを変えられる物もあります。
2爪タイプのプーラーは、手軽で狭い場所に使うと重宝し、ベアリングを中心に180度対角に爪を掛けてベアリングやギア、プーリーを外すことが出来ます。
3爪タイプのプーラーは、爪が円周上の位置から120度、240度、360度120度毎に爪がかかり安定した爪の掛かりでベアリングやギア、プーリーなどを外すことが出来き、用途によって2爪、3爪のプーラーを使い分けると良いでしょう。

Q – 2 ギア、 ベアリングプーラーはどんな場面で使う工具ですか?
A – 2 ギア、ベアリングプーラーは、手で引き抜けないベアリングやギヤ、プーリーを壊さず、軸も傷めず外したいときに活躍します。
ホイールハブのベアリングは、オイルシールを取り外し、ベアリングハウジングやケースに圧入されているベアリングをベアリングプーラー、パイロットベアリングプーラーを使用して、ベアリングの内輪の穴を利用してベアリングを外します。
電動工具やモーターのベアリングを取り外す時は、ベアリングの外輪の外側にプーラーの爪をかけモーターのシャフトの端面にプーラーの押しねじと(センターボルト)アダプターを突き合わせて、押しねじを締め込むと、ベアリングが取れます。
車のクラッチの、パイロットベアリングのような(奥まった位置)にあるタイプは、専用の内掛けプーラーまたは、パイロットベアリングプーラーでないとほぼ外せません。
こうした部品を無理にこじるとケースを割ったりシャフトを傷めたりするため、プーラーが必須の工具になります。

Q – 3 ベアリングプーラーとギヤプーラーは兼用で使用きますか?
A – 3 外掛けタイプの2本、3本爪プーラーなどは、ギヤ、スポロケット、プーリーなど、ベアリングでは、外輪が露出したベアリングであればベアリングプーラーとギアプーラーを兼用できる場合がありますが、常に万能というわけではありません。
ギヤやプーリーは外周がしっかりした形状なので外側から爪を掛けやすい一方、ベアリングは外輪の幅が狭かったり、周囲にスペースがなかったりして爪がかかりにくいケースが多いです。
狭い奥まった場所や内輪しか見えない場合は、内掛けチャック式やセパレーターなど、ベアリング専用プーラーが必要になるので、形状とスペースの有無で兼用使用が出来るのか判断するのが安全です。

ギアプーラーとベアリングプーラーの呼び名の定義がメーカーによって曖昧なときがあります。
名称にとらわれずに、使いやすい工具を選ぶと良いでしょう。
注意オイルシールプーラーは、シール専用のプーラーです。

Q – 4 プーラーを使うと、どんなメリットがありますか?
A – 4 最大のメリットは、(ベアリングギヤプーリーなどの部品と軸の両方を傷めずに外せる)ことです。ハンマーで叩いたりプライバーでベアリングやギア、プーリーをこじったりすると、シャフトの曲がり、ケース割れ、シール破損などのトラブルにつながりやすく、最終的な修理コストが跳ね上がるリスクがあり、最悪、新品の部品を買わなくてはいけないケースが生じます。
プーラーは、爪と押しねじの芯が決出ており、シャフトを中心にして均等な力で少しずつ部品を引き抜けるので、固いベアリングでも安定して抜き取り作業ができます。
専用工具を使うことで、取り外す部品の接触箇所を傷めにくく、作業時間の短縮にもつながります。

Q – 5 初心者が最初に覚えるべきプーラーの基本用語は?
A – 5 まず押さえたいのは(内掛け、外掛け、セパレーター)という3つの言葉です。
外掛けは外輪やギヤの外周を掴む、内掛けはベアリング内径側を掴む、ベアリングセパレーターはベアリングの裏側にセパレーターの薄い部分を挟み込んで支えるという違いがあります。

プーラーの大まかな分類
ねじを締めて引き抜く
スクリュー(ねじ)タイプ
油圧の力で押し外す油圧タイプ
スライドハンマーで衝撃を与えて外す打撃タイプなど、力のかけ方に関する分類も覚えておくと選びやすくなります。

パイロットポーラー

パイロットベアリングプーラー

Q – 6 どの程度のメンテナンス頻度なら、ベアリングプーラーを持つ価値がありますか?
A – 6 価値観は人それぞれ違いますが、バイクを所有しており、修理代が馬鹿にならず機械いじりが好きな方で例えるのならば、ホイールベアリングやステムベアリングの交換を(数年に一度でも自分で交換する)のであれば、ベアリングプーラーを1セット持っておく価値は高いです。
ショップに依頼するたびに作業工賃がかかるのに比べ、プーラーを購入すれば、以降は自分のペースで部品を購入すれば、工具は、何回でも使い回せます。(自己責任で行ってください
特に複数台の自転車やバイクを所有している場合や、工場設備の簡単なメンテナンスも自前で行う場合は、ギヤプーラー内掛け、外掛け、ベアリングプーラー内外兼用セットなど汎用性の高いものを選んでおくと長期的なコスパが良くなるでしょう。

ベアリングセパレーター

ベアリングセパレーター

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ベアリング内掛け、外掛け、セパレーター型の違いプーラーの種類と用途の違い

外掛けは、ベアリングの外輪やギヤの外周に爪を掛ける。内掛けは、内輪の内径に爪をチャック掛ける。セパレーターは、ベアリングの下側にセパレーターを差し込んで支えるながらベアリングプーラー又は、2本爪のギアプーラーでベアリングを外す事が出来ます。

内掛け、外掛け、セパレーターの特徴

Q – 1 内掛け、外掛け、ベアリングセパレーターは、どう使い分ければいいですか?
A – 1 基本的にはベアリングのどこに爪を掛けられるか?で選びます。
外輪が大きく露出していて周囲にスペースがあるなら外掛けが簡単に作業が出来ます。
ホイールベアリングのようにハブ内にベアリングが圧入されている場合は内掛けやパイロットベアリングプーラーが有利です。
ベアリングの裏側にほんの少しのすき間しかない場合は、セパレーター型を使用してベアリングの隙間にセパレーターを差し込んでネジを締め込み、そこに外掛けプーラーやプレスを組み合わせてベアリングを外します。
対象になる部品の状況を観察し、外周を掴むか、内径を掴むか、ベアリングの裏側にセパレーターが挟めるかなどで、使用できる工具を選択すると、作業性が良くなります。

Q -2 ねじ式のプーラーと油圧式プーラーの違いと、選ぶ基準は何ですか?
A – 2 ねじ式のプーラーは、レンチなどでセンターボルトを締めていく一般的なタイプで、構造がシンプルなぶん価格も手頃で、DIY〜重整備まで幅広く使われています。
一方、油圧式はシリンダー内の油圧で力を発生させるため、同じ操作力でもはるかに大きな引き抜き力が得られ、大径ベアリングや固着が強い部品の取り外しに向きますが、油圧式は価格が高く、重量や取り回しの面でもややヘビーなので、一般ユーザーが最初の1本として選ぶならねじ式が現実的です。
小さな油圧プーラーもありますが、使用する機器の大きさや、強度により油圧、ネジ式とプーラーを選ぶ事が大切になると思います。
工場設備や大型機械を頻繁に整備する現場では、油圧プーラーを導入することで作業効率が大きく向上する事が有りますが、これも使用者の技能に大きく左右されます。

Q – 3 内掛け外掛け兼用セットは、実用性がありますか?
A – 3 内掛け外掛けプーラーの兼用セットは、同じ本体に爪やチャックを付け替えることで、内輪側か外輪側の両方に対応できるのが特長です。
1セットで幅広い径に対応できるため、何に使うか完全には決まっていないけど、とりあえず一通り揃えておきたいというユーザーには実用性があります。
汎用性と引き換えに、専門特化の工具と比べて作業性が落ちるケースもあり、特に極端に狭い場所や大トルクを必要とする場面では専用プーラーに軍配が上がることもあります。
よく使う工具としてプーラーを選ぶならば、自身が使いやすいタイプのプーラーを選ぶと、用途が広がるでしょう。

Q – 4 セット品と単品、初めて買うならどちらが良いでしょうか?
A – 4 内径10〜80mm対応などのセット品は、ベアリング径がバラバラな自転車、バイク、特に複数の小型機械のメンテナンスなどを行う人に向いていて、1個のプーラーセットで多くのサイズをカバーできます。
特定の部品や機械のベアリングサイズが決まっていて、作業環境が異なる場合は、そのサイズに合った専用のプーラーを使用する事で爪の形状や剛性の面で作業が捗るでしょう。
プーラーを購入する時は、整備する機械や部品のサイズを事前に調べておくと工具を選びやすくなります。
予算と用途で、使用頻度の高いサイズから優先的にプーラーの購入を考えるのが、おすすめです。

Q – 5 スライドハンマー付きの内掛けプーラーはどんなときに使用するのですか?
A – 5 スライドハンマー付き内掛けプーラーは、ケースの奥に収まったベアリングやパイロットベアリングのように、通常のプーラーで引き抜き方向に力を保持しにくい場面で威力を発揮します。チャックでベアリングの内輪の内径側を掴み、スライドハンマーを手前に打ち付けることで、衝撃を加えながらベアリングを引き抜く構造です。
固着が強い場合でも、一定のテンションに加えて衝撃を与えることで簡単にベアリングが外れることがあり、特にオートバイホイールベアリングを外す時などで使われます。
ただし周囲へのダメージや自分への跳ね返りに注意が必要なため、防護具と作業姿勢をしっかり整えたうえで使用することが重要です。

ベアリングをベアリングハウジングに保持する為に、ベアリングにベアリングロック剤が塗布されていることがあります。(LOCTITE680ベアリングマウント接着剤
この様な状況で、加熱が出来る場合は、ベアリングハウジングをバーナーで素早く加熱してベアリングを外すと割と楽にベアリングが外れます。

Q – 6 バイク整備が中心の場合、どの種類を優先して揃えるべきですか?
A –  6 バイクの大きさや状況で変わるのですが、ホイールハブのボールベアリング、ステムのテーパーベアリング、リンク部などにシールドベアリングが多用されるため、内掛け式のベアリングプーラーやパイロットベアリングプーラーが特に役立ちます。
外輪が露出している箇所については、小型の2本爪または3本爪プーラーがあれば多くのケースをカバーできます。
ステムなどのテーパーベあリングを外す時には、ベアリングセパレーターと2本爪のプーラーで、ベアリングを外します。
ホイール関係を自分で頻繁に触るなら内径10〜35mm」程度をカバーする内掛け+外掛けプーラーの組み合わせが現実的なスタートポイントと言えます。

ちょこお
ちょこお

あー、モーターのシャフトが曲がってる

悩みおじさん
悩みおじさん

小型の油圧プーラーを使ってファンモータのベアリングを取り外そうとしたら、ベアリングが取れずに、シャフトが曲がりました。
良く見ると、シャフトとベアリングの内径の所に、ベアリングロック剤が塗ってあるみたいで、ベアリングが硬くて、シャフトが曲がったんでしょうな‼

金次
金次

悩みさん、万力にモーターのローターを挟んでから、手動ネジ式の3つ爪プーラーでシャフトとベアリングにプーラーをセットして、プーラーネジ押しをコンビネーションスパナなどでテンションをかけてから、テンションがきつければ、プーラーのネジ押しの頭をハンマーでたたき、それでも変わらずテンションが掛かっていれば、レンチでもう少し押しネジを締め込んでから、ベアリングをバーナーで軽く炙りながら、作業する様に2~3回位繰り返し言ったのになー

鉄ちゃん
鉄ちゃん

金ちゃんが悩みさんに指示した話は聞いてたけど、悩みさんは、油圧のプーラーの方が楽だから、油圧のプーラーを床の上に置き使ったんだって。
あのモーターは、小さいけど低速で特殊だから高いんだよね‼

銀次
銀次

手動プーラーは、ネジ押しの圧力の加減がわかりやすく調整しやすいんだけど、油圧プーラーは、使い慣れないと、圧力の加減が難しく、最悪、部品の破損に繋がるんだよね。

仙人モカ
仙人モカ

ちょこおは、色々なプーラーを試して、今ではスナップオンのブルーポイントを主に使っておるの~
奴の工具集めは、実用趣味じゃからな~ しゃー無いの~
昔夜中にな~、ちょこおが、プーラーのネジ押しのネジ部を薄くグリスアップをしながら、一人でニヤニヤしてブツブツ言うとったのが、怖かったの~
今は、皆が使用後のメンテナンスを行わないから、プーラーが悲しんどるの~

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内掛け式のベアリングプーラー

失敗しないベアリングプーラーの選び方

サイズ選定で具体的なサイズを測り、なんとなくで買わないことが大切です。
使用する機器や、部品の寸法に合ったプーラーを購入し、大きすぎる物や、小さすぎるプーラーを無理に使用しない事が重要です。

爪が短くて届かない、爪が開かない、ねじの強度不足など

Q – 1 ベアリングプーラーを選ぶとき、最初に測るべき寸法は何ですか?
A – 1 まず確認したいのは、ベアリングの(内径、外径、厚み)と、シャフトが有れば、シャフトの先端からベアリングの後ろまでの寸法で、プーラーを外掛けか、ベアリングセパレーターが必要であれば、ベアリングの外形と厚み、爪やセパレータがきちんと掛かるかどうかを確認します。

ベアリングがハウジング内にあり、ベアリングの内径の穴が見えている場合は、ベアリングの内径とそのベアリングが入っているハウジングの外径を測ります。
内掛けタイプのプーラーを使うならベアリングの内径を測り、爪がきちんと掛かるかどうかを確認します。
さらに周囲のクリアランス(ケースの深さや隣の部品との距離)も重要で、爪の長さやセパレーターの厚みを測り、プーラーが使用できるかどうかを事前にチェックする必要があります。
このあたりをノギスや鉄の物差しなどで測っておくと、プーラーのカタログの把持径、爪の長さなどの数値と実効値を照らし合わせて、最適なプーラーを選べるようになります。

Q – 2 プーラー選定で見落としがちなポイントはありますか?
A – 2 見落とされがちなのは、(ベアリングの奥行き)と(引き抜き方向に押しねじと爪のストロークを確保できるか)です。
たとえば深いケースの奥にあるベアリングに短い爪のプーラーを使おうとしても、そもそも爪が届かないことがあります。
また引き抜き方向に十分なスペースがないと、周辺部品をどこまで外す必要があるかも含めて逆算する必要があり、作業できる有効スペースを実際の機械で確認してから、爪の長さ、押しねじの有効範囲を考慮すると、プーラーを買ってから(使えない)という事が無くなるでしょう。

Q – 3 安価なベアリングプーラーで失敗しやすいのはどんな点ですか?
A – 3 よくあるのは、(爪の形状と強度)が足りずに、テンションを掛けると、爪がベアリングから外れたり、爪が変形してしまうパターンです。
爪先の食い込みが甘いと、押しねじを締め込んだ瞬間に爪が滑って外輪や内輪を傷つけたり、最悪の場合に外れ飛んだりして危険です。
押しねじボルトの材質やねじ精度が低いと、固着したベアリングを外時に、押しねじが伸びたり折れたり、ネジ山が破損するリスクが高まります。
口コミや仕様表で、材質(クロムバナジウム鋼など)、爪先形状、強度の評価を確認し、極端に安いプーラーは、用途を割り切って使うのが現実的です。

例えばギアプーラーなどの3爪のうちの1本の長さが0.1㎜~0.5㎜程度違えば、残りの2本の爪に荷重がかかりベアリングやギヤがメインシャフトを基準(垂直)にしてベアリングやギアが(水平)にならずに、シャフトに対し少し斜め荷重で抜ける事で、シャフトやギア、ベアリングに傷や抜けにくさに繋がります。
最悪の場合は、シャフトにシワがよりギアやベアリングが引っかかる場合も出てきます。

Q – 4 プレスやスライドハンマーとの併用を想定すると、プーラーの選び方は変わりますか?
A – 4 プレスとベアリングセパレーターの併用を考える場合は、ベアリングセパレーター(プレスでメインシャフトなどを押すので、ベアリングセパレーターは押される側の受け)として使うことが多いため、セパレーターのボルトの部分の剛性が重要になります。

スライドハンマーと組み合わせる内掛けチャックの場合は、打撃によるショックにプーラーが耐えられるかどうかがポイントで、チャックの爪とロッドの接合部の頑丈さを確認したいです。
将来的な拡張を見越して、組み合わせやすい規格の製品を選ぶと使用の自由度が上がります。

Q – 5 オーバースペックなプーラーの選択とは何ですか?
A – 5 一般的なバイク、自転車、小型機械が中心なら、大型油圧プーラーや極端に大きい工業用プーラーはオーバースペックになりがちです。
工具と言う代物は、趣味性が高いので、格好よく、持っているだけで良い、触る楽しみや、ワクワクが有れば、その方が好きな工具を買うべきと思います。
メンテナンスを行う機械のサイズを基準に、100%であればよいのですが、大体0〜70、85%の作業をカバーできる範囲の工具を選ぶと、無駄を抑えた選び方になるでしょう。

Q – 6 逆に、プロや整備業で最低限揃えておくべき構成は?
A – 6 プロ用途では、内掛け、外掛け、セパレーターをそれぞれカバーするプーラーに加え、1〜6種類のプーラーを用意しておくとほとんどの用途で作業が出来るでしょう。
たとえばΦ8〜30mmの外、内掛けプーラー+中型の外、内掛けプーラー、2爪、3爪、長爪、パイロットベアリングプーラーセット、小型のベアリングプーラーセット、数個のベアリングセパレーター、必要ならば大型プーラーを取り揃えると、作業が捗るでしょう。

油圧シリンダーと組み合わせて高負荷作業にも対応できるようにしていれば、小型機器から産業機械まで、幅広い現場に柔軟に対応できるでしょう。

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ギアプーラー

左2爪プーラー0度 、180度、  右3爪プーラー120度、240度、360度の120度毎

ベアリングプーラーの正しい使い方【手順付き】

内、外輪を掴む標準的なパターンとチャック式・パイロットベアリングプーラーの使い方の手順

作業前に必ずやっておきたい下準備

Q – 1 ベアリングプーラーを使う作業の前に、どんな準備をしておくべきですか?
A – 1 まず対象部品の周辺の部品を取り外し、ベアリング、ギア、プーリーなどの付近の汚れや錆をワイヤーブラシや、耐水ペーパーなどで取り除き、プーラーの爪やチャックがしっかり掛かるようにアクセスを確保します。
固着が疑われる場合は、あらかじめ浸透潤滑剤を塗布してしばらく放置し、押しねじ部には、グリスなどを薄く塗っておくとねじのかじりや焼き付き防止になります。

オイルシールの下(内側)、にベアリングがある場合は、オイルシールプラーなどを取り外してからベアリングを取り外しましょう。
使用前にプーラー本体にクラックや変形がないか確認し、安全メガネ、手袋などの保護具を着用したうえで、安定した作業姿勢を確保してから作業を始めましょう。

Q – 2 外掛けプーラーを使った標準的な手順を教えてください。
A – 2 外掛けプーラーは、まず上記の様な掃除は当たり前に行い、プーラーの爪の開き具合と押しねじの調整を行い、ベアリング、ギヤ、プーリーの外周に2本、3本の爪が均等に掛かる位置にセットします。(2本爪 0度ー180度、3本爪ー120度、240度、360度です)
次に押しねじ先端をシャフトの中心、もしくは専用ポイントプロテクターのくぼみに軽く当て、全体がシャフトに対して真っ直ぐになるよう確認します。
ここまで準備できたら、レンチで押しねじ(センターボルト)を少しずつ締め込み、数回転ごとに爪の掛かりとプーラーの傾きをチェックしながらじわじわとテンションを上げていきます。
もし途中で非常に重くなった場合は、無理に回し続けず、一度軽く緩めてから爪の掛かりが均等なのか、モーターなどのシャフトに対してプーラーがきちんと立っているのかと、ベアリングが圧入されているシャフトの潤滑状態を見直すことがトラブル防止につながります。
必要であれば、テンションを掛けたままベアリングをバーナーで炙ると、熱膨張でベアリングが外れるでしょう

パイロットベアリングプーラーのスライドハンマーセットです。

パイロットベアリングプーラースライドハンマーセットです。左の写真はチャックがベアリングにしっかりと引っかかっています。

Q – 3 内掛け、パイロットベアリングプーラーの典型的な使い方は?
A – 3 内掛けプーラーの場合、まずベアリングの内径に合ったチャック(爪の外径)を選び、チャックを縮めた状態でベアリング内径奥まで差し込み、ねじを回してチャックを内側から広げ、爪が内輪の裏側にしっかり引っ掛かるまで締め込み調整します。
その状態でスライドハンマーを装着し、ハンマーをスライドして、ベアリングを引き抜きます。
このときも、少し力をかけては掛かりを確認し、爪が外れていないか、ベアリングが斜めに動いていないかをこまめにチェックすることが重要です。

Q – 4 押しねじが重くて回らなくなったとき、どう対処すべきですか?
A – 4 押しねじが極端に重くなった状態で無理に回し続けると、ねじ山の損傷やモーターなどのメインシャフトの折損につながるため、一度回すのをやめて原因を確認します。
プーラーが斜めに掛かっていないか、爪が片側だけ強く当たっていないかを目視でチェックし、爪が均等(2爪 0ー180度3爪 120度、240度、360度)にかかっていなければ、押しねじを一旦緩めて掛け直します。(一番ミスが多いので、何回も同じことを書いています)
爪の長さを定尺スケールまたは、ノギスなどで測定して長さに違いが無いか確認してください。
長さにバラツキが有る場合は、プーラーを対象物にセットし、均等な角度の爪に軽くテンションをかけ、各爪にテンションが掛かっていれば大丈夫ですが、各爪のテンションがバラバラな場合は、対象物のガタやプラーを確認し、工具の摩耗の場合は、プーラーの買い替えを検討しましょう。
潤滑剤をベアリングとハウジングの隙間に再度浸透させたり、テンションが掛かった状態で、押しねじの頭をハンマーで叩く、センターボルトのねじ部にグリスを追加したりすることも有効です。
それでも動かない場合は、ヒートガンやバーナーなどによる加熱やスライドハンマー併用など、別の手段を検討し、無理やりに押しねじを締める解決法は避けましょう。
無理をしない作業が工具保護にもつながります。

Q – 5 ベアリングが途中までしか抜けず止まってしまう原因は?
A – 5 よくある原因は、ベアリングがケース、シャフトの途中で斜めに傾いてしまい、片側だけが強く当たっているケースがあります。
この場合、プーラーの爪の掛かり位置が均等でないセンターボルトが軸心からずれている、またはケースの内面に傷や段差ゴミのなどのかみ込みと言った原因があります。
一旦押しねじを緩めテンションを抜き、ベアリングを軽く押し戻してから、爪の位置や加える方向を調整し直すと改善することがあります。
ケース側に段付き加工やスナップリングが残っている場合もあるので、分解図やサービスマニュアルを確認し、ベアリングやギア、プーリーを引き抜く前に外すべきものが無いか確認することも重要です。

Q – 6 取り外した後のベアリングやプーラーのケアはどうすればいいですか?
A – 6 ベアリングの再使用は、お勧めしません。(新品のベアリングを取り付け、再度外した時も同じで、新品交換が必須です
取り外し後に回転のスムーズさやガタ、異音をチェックし、問題があれば無理に使い回さずに修正や交換を行うと次回の使用に支障が無いでしょう。
プーラー本体は、爪やねじ部に付着した汚れや潤滑剤、金属粉をパーツクリーナーなどで落とし、ねじ部には防錆と焼き付きカジリ防止も兼ねる為に、薄いグリスを塗布しておきます。
爪や本体に変形やクラックがないか目視で確認し、異常があれば次回使用前に点検、交換部品を確認することが望ましいです。
このケアを毎回行うことで、プーラーの寿命を伸ばし、次回の作業でも安定した力をかけられる状態を維持できます。

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ベアリングセパレーター

ベアリングセパレーターと2爪プーラー

プーラーを安全に使うための注意点とNG行為

プーラーの押しねじを無理やりに回さない、安全対策を行い余裕も持った作業を行う事が作業で大切な事になります。

プーラー作業で起こりやすいトラブル事例

Q – 1 プーラー作業で起こりがちな事故にはどんなものがありますか?
A – 1 代表的なのは、ベアリングが一気に外れた瞬間にプーラーのテンションが緩み、工具や部品が落下し、足や手に当たる、又は部品が飛ぶ事が、まれにあります。
押しねじ(センターボルト)の折損や爪の破断によっても、破片が飛散する危険もあります。
ハンマーでガンガン叩きながらの無理な使用でシャフトやハウジングにクラックが入るなど、工具以外の部品を損傷させてしまうケースもよく見られます。

Q – 2 やってはいけないNGな使い方には何がありますか?
A – 2 まず避けたいのは、(プーラーをセットした状態で対象物ギア、ベアリングなどを直接ハンマーで叩く)使い方です。
衝撃で爪が外れたり、プーラーに瞬間荷重がかかって損傷する可能性もあります。
仕様外のサイズに無理に使ったり、爪を十分に掛けずに一部だけで力を受ける使い方もNGです。
ネジ押し(センターボルト)に極端な長さの工具を使用し(てこ)を掛ける行為は、メーカーが想定しないトルクが、押しねじにかかるため破損のリスクが高く避けるべきです

Q – 3 安全のための基本的な服装と保護具は?
A – 3 目を守るための(安全メガネ)は必須で、飛来物から顔を守るためにフェイスシールドが推奨される場合もあります。
手は耐油性のある作業用グローブで保護し、指先感覚を必要とする場面では薄手の手袋を選ぶと作業性とのバランスが取りやすいです。
服装は袖口や裾がだぶつかない作業着を選び、工具や部品に引っかからないようにし、滑りにくい安全靴を履き、万が一部品が落下した場合にも足先を守れるようにしておくと安心です。
(部品を万力でつかめる範囲の物であれば、万力に挟み作業を行いましょう。)

Q – 4 作業環境で注意すべきポイントは何でしょうか?
A – 4 足元が油や部品で滑りやすくなっていないかを確認し、必要であればマットやウエスで清掃してから作業しましょう。
プーラーの作業中に力を入れた拍子にバランスを崩すと危険なので、十なスペースを確保し、周囲に人が立ち入らないように配慮することも重要で、ワークを固定するバイスや治具がしっかり固定されているか、机やスタンド自体が安定しているかも事前にチェックします。
照明が暗いと爪の掛かりや不具合を見落としやすいため、手元を十分に照らせるライトも安全確保に役立ちます。

Q – 5 工具の状態確認はどの程度行うべきですか?
A – 5 使用前には、爪の先端が摩耗や欠けで丸くなっていないか、押しねじ(センターボルト)のねじ山が潰れていないか、クラックや曲がりがないかを目視で確認します。
油圧式やスライドハンマー付きの場合は、油漏れの有無や接合部の緩みも合わせてチェックし、異常がある状態で高いテンションをかけると、破断や飛散のリスクが跳ね上がるため、少しでも不安があれば点検をし、交換部品がある場合は、部品交換を検討するべきです。
この習慣を徹底することで、工具自体の寿命も延ばせますし、予期せぬトラブルの予防にもつながります。

Q – 6 DIYユーザーが特に意識しておくべき安全面の心構えは?
A – 6 DIYでは多少無理をしてでも自分でやりたいという気持ちが働きやすいですが、プーラー作業は大きな力を扱うため、無理は禁物です。
外れない、嫌な音がする、工具の挙動に違和感があると感じた時点で、一度手を止めて原因を考える習慣を持つことが重要です。
作業を一人で行う場合は、携帯電話を手の届く場所に置く、家族に一声かけておくなど、万一の際に助けを呼べる状況を整えておくと安心で、(急がない無理に力をかけないおかしいと思ったら作業を止めて考え、焦らない)という三原則を守ることが、安全なDIY整備への近道です。

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3爪プーラー

同じブルーポイントの3爪プーラー左CG270‐3 10t、右CG250-3 6tです。

固着ベアリングに効くプロのひと工夫

ベアリングが固着している場合、通常の方法では外れない事が有ります。その際は無理な作業を控え、まずは基本的な作業前の掃除を行い、状況を確認してから、作業に入ると良いでしょう。

プーラーだけでは抜けない固着ベアリングとは?

Q – 1 固着ベアリングは、なぜ普通の力では抜けないのですか?
A – 1 固着の主な原因は、長年の使用で発生したサビや焼き付き、ベアリングとハウジングの微小な変形が噛み合った状態で起こるものです。
サビは表面同士を接着剤のように固めてしまい、焼き付きは高温で素材同士が部分的に溶着しているイメージに近い状態になります。
高荷重や衝撃が繰り返されるうちに、ハウジング側がわずかに変形し、もともとの公差から外れて締まりすぎているケースもあり、こうした状況では、プーラーで単純に引っ張るだけでは力が及ばず、工夫をしないと外れないことが多くなります。

Q – 2 潤滑剤を使うときのコツはありますか?
A – 2 浸透潤滑剤は、ベアリングとハウジングの隙間に染み込ませる必要があるため、吹き付けてすぐに回し始めるのではなく、ある程度の待ち時間を取ることが重要で、サビや汚れが無い状態にしときます。
浸透潤滑剤を数分〜数十分おいてから軽くプーラーでテンションをかけ、その状態でもう一度潤滑剤を追加すると浸透が進みやすくなり、潤滑剤は万能ではありませんが、固着を和らげる一手段として組み合わせると効果的です。

Q – 3 加熱や冷却を使った方法は安全ですか?
A – 3 適切な手順と温度管理を守れば、加熱、冷却は固着ベアリングを外すうえで有効な手段です。
一般的にはハウジング側だけをヒートガン、バーナーなどで温めて膨張させ、ベアリング側はそのまま、もしくは軽く冷却(瞬間冷却スプレー、ドライアイス使用)することで、両者のクリアランスを一時的に広げる事が出来ます。
ただし、過度な温度をかけると材質や熱処理にダメージが出る可能性があるため、部品の耐熱性を事前に調べておくことが重要です。
可燃性の潤滑剤を使用した直後に火炎式バーナーを使うのは危険なので、電気式のヒートガンを選ぶなど安全面に配慮した機材選びもポイントになります。

Q – 4 プーラーのねじ頭をハンマーで叩くテクニックは有効ですか?
A – 4 適度な範囲であれば、プーラーでテンションをかけた状態でプーラーのねじ頭を軽く叩く方法は、サビや固着を一気に剥がすのに有効とされています。
一定の引き抜き力に小さな衝撃を加えることで、固着面の静摩擦を動摩擦に変え、外れやすくする効果を狙ったもので、上記の加熱、冷却を行い同時に押しねじに衝撃を与えると効果的です。
過度な打撃はねじ山や爪の破損リスクを高めるため、中程度で軽く数回コンコンと叩く程度に留め、違和感を感じたらすぐにやめるべきです。
叩く際には安全メガネの着用と、工具、部品の前、下方向に身体を置かないことが前提になります。

Q – 5 どのタイミングで自分でやるのをやめるべきでしょうか?
A – 5 明確な目安としては、プーラーの押しねじ(センターボルト)や爪に明らかな異音や変形の兆候が出てきた時点で、一度作業を中止すべきです。
限界近くまでテンションをかけてもまったく動く気配がない場合や、ケースやシャフト側にクラックや変形が出始めた場合も、これ以上の負荷は危険信号となります。
専用治具や油圧プレスの使用が指定されている作業を、無理に汎用プーラーだけでこなそうとするのは避けるべきです。
こうした状況では、早めに専門の工場やショップに相談することが、結果的に部品や自分の身を守る最善の選択になります。

内径Φ50mm以上のダブルボールベアリングで、モーターのシャフトが、公差よりも0.008mm程大きい場合は、場合によっては加熱、冷却しても苦労に苦労を重ねやっとベアリングを外すことが出来たと言う事案も過去に何度もあります。
慣れや経験による積み重ねで、ある程度の予測が付きますが、とても手ごわいです。

Q – 6 固着ベアリングを外すための段階的なアプローチを教えてください。
A – 6 まずは通常のプーラー手順でテンションをかけ、外れない場合は潤滑剤を併用してしばらく待つ、というステップからスタートします。
それでもダメなら、加熱や軽い打撃併用などを組み合わせつつ、毎回プーラーの掛かりと部品の状態を確認しながら少しずつアプローチを強めていきます。
さらに作業を重ねても動かない場合には、一旦2~3時間程作業を中断し頭と体をリフレッシュしてから、油圧プーラーなど、より強力な手段を検討しますが、その前に(部品や工具が限界に近づいていないか)を必ずチェックします。
このように段階的に方法を切り替え、どこかで撤退ラインを設定しておくことが、固着ベアリングとの賢い付き合い方と言えます。

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締めくくり

ここまで読み進めていただくと、ギアプーラーベアリングプーラーが、ただの便利工具ではなく、部品と自分の身を守るための道具だということが、かなりはっきり見えてきたはずです。
ベアリングの構造や圧入の仕組み、内掛け、外掛け、セパレーター、パイロットベアリングプーラーといった工具の種類と違いや、どの場面でどれを選ぶかという判断が出来れば、基本的な作業を行い、目の前のベアリングやギア、プーリーを取り外します。
もう運任せの力技で相手にする必要はありません。
キチンとした準備を行い、状況を観察して、適切なプーラーを選び、正しい手順で少しずつ力をかけ、うまくいかないときは、潤滑剤、打撃、加熱、冷却、といった一工夫を組み合わせ、決して一発ヤマ勘の逆転に頼らない。
工具や部品の限界を感じたら、欲張らずに引き際を決める勇気も持つ。
こうした考え方が身につけば、バイクや自転車、機械のメンテナンスは、トラブルとの綱引きから、状態を読み解きながら組み立てていくような、楽しい作業に変わっていくでしょう。
作業を楽しみ、満喫しながら作業を行うと、工具選びも楽しくなると思います。

 

この記事を書いた人
便利探求ラボ

便利探求ラボのちょこおです。
プロのマシニスト、電気工事士です。空調工事、飲食プラントの設計、施工から機械の据え付けやタンクの接続、各種機器の修理まで、プロの職人の経験と知識で日常をもっと快適にするためのアイテムや、工具の紹介、使用法などのお役立ち情報を発信しています。

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