圧着ペンチ 電気配線でおすすめの圧着ペンチ

圧着ペンチ Tools
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圧着ペンチは配線作業の必需品
カリカリ、カチッ!という小気味よい音とともに、配線と配線、配線と端子などを確実につなぐことが出来る圧着ペンチDIYで自動車、バイク、電動バイクなどの電装品取り付けから本格的な弱電工事まで配線作業においてこれほど頼りになる工具はありません。
しかし、ただ力を入れて挟めば良いというものではなく正しい使い方をしなければ、接触不良や断線といった思わぬトラブルの原因にもなりかねません

この記事では、圧着ペンチの基本的な使い方から、プロが実践するちょっとしたコツ、さらには目的に合わせた最適なペンチの選び方まで、どこよりも分かりやすく徹底的に解説します。
今まで何となく使っていた方も、これから初めて挑戦する方も、この記事を読めば、あなたの配線作業がワンランクアップすること間違いなしです。
安全で確実な配線作業の世界へ、一緒に踏み出しましょう。

プロが選ぶ各メーカーのニッパーの切れ味と、その種類やサイズなどを徹底比較

圧着ペンチ

各種圧ペンとわ~ヤーストリッパーです。ワイヤーストリッパーは30年位は使っています。

そもそも圧着ペンチって何?ハンダ付けやプライヤーとの違い

この端子、通常のペンチで潰せばいいんじゃない?)そう考えたことはありませんか?
それは非常に危険な考えです
圧着ペンチダイス凸凹)には、使用する端子のサイズに合わせた厳密な凹凸の形状があります。
このダイスが端子を正しく包み込み、配線全体に均一な圧力をかけることで、確実な接続が保証されるのです。
プライヤーなどでは、この均一な圧力、(平たく潰すのみ)均等に圧着する事ができず、見た目は繋がっていても、内部では断線寸前または、端子と配線の圧着が緩いという事があります。
安全な作業のために、必ずそれぞれの端子に合った専用の圧着ペンチを使用しましょう

プライヤーでの代用が危険な理由

Q – 1 圧着とは、具体的にどのような原理なのですか?(冷間プレス端子)
A – 1 圧接とは、金属に熱を加えず非常に強い圧力をかけることで、金属を結合させる技術です。
圧着ペンチで端子銅を煤メッキしたもの)を潰すと、電線の銅線端子の金属が塑性変形(元の形に戻らない変形)を起こし、金属面同士が密着し、まるで一本の金属になったかのような、非常に安定した機械的な接続が行われます。

Q – 2 ハンダ付けの方が電気的には確実なイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?
A – 2 適切な圧着が行われれば、ハンダ付け圧着も非常に信頼性の高い接続方法です。
ハンダ付け作業者の技量に左右されやすい側面があり、ハンダの量が不適切だったり、加熱しすぎて被覆が解けたり、電線の芯線に毛細管現象ハンダが染み込み吸引され被覆内などに(ウィッキング現象)入りすぎたりすると、その部分が硬化し、振動で断線しやすくなることがあります。
JIS規格品の圧着ペンチを使用し作業を行えば、誰が作業しても規定の品質を保ちやすく、特に自動車や産業機械など、振動が多い環境でも、圧着が標準的な工法として採用されています。
半田付けの後は、ショート防止の為に配線に厚みのある伸縮チューブや絶縁テープを巻きましょう。

Q – 3 プライヤーで端子を圧着すると、なぜ接触不良が起きるのですか?
A – 3 プライヤーの挟み面はギザギザで平らなため、端子を均等な力で包み込むように潰すことができません。
結果として、端子の一部にだけ強い力がかかり、均等でなく歪んだ形で変形(圧着では無く、潰しです)してしまいます。
これでは電線の芯線と端子の間に隙間ができてしまい接触面積が不足し発熱し、最悪な場合は、発火する事もあります
この隙間が電気抵抗となり、発熱の原因になったり、湿気やホコリが侵入して腐食し、最終的に電気が流れなくなる(接触不良)を引き起こしたりするのです。
見た目はくっついていても、電気的には非常に不安定な状態と言えます。

Q – 4 圧着ペンチには、なぜラチェット機構が付いているものが多いのですか?
A – 4 ラチェット機構は、圧着作業の品質を均一をするために、非常に重要な役割を果たします。この機構により、一度グリップを握り始めると、規定の場所に達するまでハンドルが逆戻りしなくなります。(ラチェット解除ノブが有る圧ペンもあります
圧着力が規定の圧力に達した瞬間に、ラチェットが自動で解放され、ハンドルが開く仕組みになっています。
作業者の握力や感覚に頼ることなく、誰が作業しても常に一定の力で圧着することが保証さるので、力の弱い方でも確実な作業ができ、圧着不足による失敗を防ぐことができます。
圧着スリーブのサイズに対して、電線を規定以上(規定以下)に差し込み、圧着する事は、危険が伴うので避けましょう

Q – 5 電工ペンチ圧着ペンチは同じものですか?
A – 5 電工ペンチは、電線の切断、被覆剥き、小径のネジの切断など、物を掴むなどの複数の機能が一つの工具にまとまった、多機能ペンチを指すことが多いです。(単一の圧着するダイスが有るペンチもあります)(クラインツールの12098など
圧着ペンチは、圧着作業に特化した専用工具を指すのが一般的で、圧着端子のサイズや種類により専用の圧着ペンチが必要になります
1個の圧着ペンチに大きさの違う数種類の専用ダイス(凸凹)と、ラチェット機構を搭載してあり、より高品質な作業ができる工具です。
電線の被覆の皮むきは、ワイヤーストリッパーを使うと、簡単で統一さてた皮むきが出来ます。

Q – 6 圧着接続の最大のメリットとデメリットを一つずつ挙げるとすれば何ですか?
A – 6 最大のメリットは作業の速さと均一性で、ハンダ付けのように準備や後処理が不要なので、専用工具を使えば誰でもスピーディーに安定した品質の接続ができます。

デメリットやり直しが効かないことと、電線のサイズや種類によって使える圧着ペンチを変える必要があります。
一度圧着した端子は、元の状態に戻すことができず、もし失敗した場合は、その部分を切り落とし、再度電線の被覆を剥くところから作業をやり直す必要があります。
そのため、一回一回の作業を確実に行うことが重要になります。

Q – 7 電線を端子で圧着する工具のメーカーを教えてください。
A – 7 ロブテックスマーベルホーザンフジ矢ツノダニチフイズミジェフコムエンジニアPhoenix ContactクニペックスAMPMolexIwiss、等が代表的な圧着工具メーカーです。

自動車用低電圧単線ケーブルサイズ表

公称断面積(mm) AWG 許容最大電流(A) 推奨使用電圧 線種
0.3 22 9 DC12/24V AVS
0.5 20 12 AV ‐ AVS
0.75 18 15
1.25 16 20 AV
2 14 27
3 12 37
5 10 50
8 8 58 WTC等
14 6 86

※上記の表の単線ケーブルの最大電流は、目安値としてみてください。(上記の表の周辺温度は30度です)
電線の種類、施工状態、ケーブルの全長、周囲温度により電線の最大電流値が変わります

線種、AVー自動車用低圧電線、AVSー自動車用低圧薄被覆電線、WCTー大容量バッテリーケーブルです。
この表の線種と最大電流値を参考にして、端子を選ぶ目安にしてください。

こちらがニチフの公式サイトです
圧着作業の基本、
 圧着加工の手順、 圧着工具の種類、

上記は、リングスリーブ等の圧着作業の基本手順工具の種類、などを解説しています。

精密ドライバー 完全ガイド、選び方からメンテナンスまで

フェルル圧着ペンチ

フェルル圧着端子と圧着ペンチ(中間)、より線の皮むきに適しているワイヤーストリッパーです(右上)

【種類別】あなたの作業に最適!圧着ペンチの選び方ガイド

圧着ペンチの性能を左右するのが、圧着部分【ダイス】の精度です。JIS(日本産業規格)の認証を受けた製品は、厳しい品質基準をクリアしており、安定した圧着性能が保証されています。特に、仕事で使う場合や、失敗の許されない重要な部分の配線を行う場合は、JISマークの付いた製品を選ぶと安心です。価格は少し高くなる傾向にありますが、安全性と信頼性を考えれば、十分にその価値はあると言えるでしょう。長く使う工具だからこそ、品質にはこだわりたいものです。

使用する端子の種類で選ぶ

Q – 1 圧着ペンチに刻印される「1.6×2、小、中、大」の表示は、具体的にどのような電線サイズに対応し、刻印の品質が圧着作業に与える影響はありますか?(リングスリーブ圧着ペンチ
A – 1 圧着ペンチの刻印表示は、使用する電線の断面積と本数の組み合わせに対応しております。
下記は組み合わせ例
( 1.6×2 は1.25sq×2本、1.6x1+0.75sqx1本)
( 小 は1.25sq×3本または2.0sq×2本、2.0x1+1.6x1~2本)
( 中 は1.25sq×4本または2.0sq×3本、2.0x1+1.6x3~5本)
( 大 は2.0sq×4本、2.6x1+2.0x3本、2.6x2+1.6x2本)等の組み合わせに使用します。
この凸凹のダイスの凹側に刻印があり圧着完了後リングスリーブ表面転写され作業完了の証明と品質管理の指標となります。(刻印の印字が薄くなった場合は、安全のために新しい圧ペンに交換しましょう

Q – 2 弱電配線の結線は、ハンダ付けの方が電気的には確実なイメージがありますが、実際はどうでしょうか?
A – 2 適切に行われれば、ハンダ付けも圧着も非常に信頼性の高い接続方法です。
ハンダ付けは作業者の技量に左右されやすい側面があり、ハンダの量が不適切だったり、加熱しすぎて電線の芯線にハンダが染み込みすぎたり(ウィッキング現象)すると、その部分が硬化し、振動で断線しやすくなることがあります。
JIS規格品の圧着ペンチを使い配線のサイズと端子のサイズが適合すれば、誰が作業しても規定の品質を保つことが出来ます。 (半田付けはスキルの差が大きく出ます

Q – 3 絶縁被覆付圧着端子裸圧着端子の圧着ペンチでは、圧着部の形状や機能にどのような違いがあり、なぜ代用できないのですか?
A – 3 絶縁被覆付圧着端子用圧着ペンチには、被覆導体部用端子の本体部分、バレル)と被覆部端子本体の後の部分で配線を保持)の二つの異なる大きさの圧着部が設けられており、それぞれが異なる大きさのダイス(凸凹)の違いがあります。
被覆端子、(丸、平、Y、棒端子など
端子の導体部は、芯線を金属部分と被覆で強く圧着し、導体の後部では、電線を端子の被覆部分が固定します。

裸圧着端子、リングスリーブ、突合せ、松葉接続など
裸圧着端子用は圧着部のみを圧着し、導体部分(電線を圧着する部分)のみを圧着に特化した設計となっています。
圧着ペンチを相互代用できない理由は、絶縁被覆付端子を裸圧着端子用圧着ペンチで圧着すると、被覆部の形状や厚みの違いにより、電線の抜け落ちや、過剰な圧着の為に配線がスリーブの中で断線し発熱又は火災のリスクが伴う事があります。
逆に裸圧着端子を絶縁被覆付用で圧着すると圧着力不足と、段付き圧着になります。
JIS規格において、それぞれの端子に専用工具の使用が義務付けられており、安全性と品質保証の観点から代用は認められていません。

Q – 4 自動車に後付けの電装品を追加したいのですが、どの様な圧着ペンチを買うといいですか?
A – 4 一般的な自動車やバイクなどの電装品の増設であれば、オープンバレル型端子を使い、ギボシ端子クワ型端子平型端子ファストン端子)、丸型端子などを使うと良いでしょう。
オープンバレル型専用の圧着ペンチであれば、ワイヤーストリッパー、各サイズの圧着ダイス、小径ボルトカッターなどの機能がペンチと一体になっている圧着ペンチもあります。
バッテリーから大電流を電子機器に供給する場合は、オープン型の端子ではなく、リング形端子(CB形端子など)で電線を圧着する事で信頼性が増します。
電線を圧着する部分が丸い筒の物
電線のサイズや使用目的により、最適な端子を選ぶようにすることで、問題が起きる確率を下げましょう。

Q – 5 フェルール端子で電線と電線を繋ぐ事は出来ますか?
A – 5 フェルール端子は、細いより線の電線を端子台に挟むと電線が切れたり、抜けたりする事を防止する為の端子なので、電線と電線を結線圧着する事はできません。
大きさの異なる筒上のスリーブ(導電部)に色が異なる絶縁保護スリーブが付いております。
ワイヤーストリッパーで電線の被覆を剥き、電線のサイズと適合したフェルール端子のスリーブの中に心線を入れ、専用のフェルール圧着ペンチで圧縮し、先端のスリーブからはみ出ている心線を切り、端子台などにフェルール端子を入れ、端子台のネジ締めを行う事で接触不良を防げます。
フェルール用圧着ペンチは圧着部にダイが4つ、6つ、と数の異なる種類があり、ハンドルを握る事でダイが締まり、フェルール端子のスリーブを圧縮します。

こちらがホーザンの公式サイトです
オープンバレル型端子の基本と手順です。

圧着ペンチ

Q – 6 電工は、どの様な工具で電線の皮むきを行うのですか?
A – 6 電線の被覆向きは、基本的にニッパーが多く、より線や小判コードなど、細軽の電線で本数が多い場合は、ワイヤーストリッパーです。
VVF電線も基本ニッパーか被覆の長剥きだとカッターナイフで、通常皮むきで本数が多いとVVF専用のワイヤーストリッパーです。
その他の電線で 単線、SV、CV、CVTなどは、カッターナイフの特大H刃とニッパーとペンチを使用します。(CV用ワイヤーストリッパーを使う方もいます)

銀次
銀次

僕の電動バイクにカーナビとETCを取り付けたのに、出先で両方の電源が入らなくなり、両方のLEDも点灯しないし、モニターも真っ暗になって、動かなくなったんだ。
きちんと配線したのにな~、誰か助けてよ~。

仙人モカ
仙人モカ

わしのETCとナビの電源、モーモーホーンの取り付けは、マブだちのちょこおがめし代で付けてくれたからの~
奴はプロじゃから安心じゃぞ~

金次
金次

モカ仙人、それはちょこおから言われて、僕が取り付けしたんだよ。
安心でしょう?

ちょこお
ちょこお

端子を使う時は、どの様な作業で、電圧(ボルト)や電流値(アンペア)などを確認して、作業に合った電線と工具を選び作業し、圧着後の端子を目視で確認し、電線とスリーブの電線のつこみ長の問題が無ければ、片手で端子の先端を持ち、もう片方の手で電線を互いに引き離す方向に引っ張り、端子と電線の圧着がきちんと出来ているか確認するんだ。
丸端子を押さえるネジ類も何回も増し締めし、手で端子がズレないかを確認しているから、金ちゃんの作業と僕の作業は同じクオリティーだよ。

鉄ちゃん
鉄ちゃん

ちょこお、僕にも教えて‼

便利探求ラボのスタッフ電造さん
便利探求ラボのスタッフ電造さん

銀ちゃんのバイクを確認したけど、施工は無茶苦茶で、オープン端子にP,B型(裸圧着ペンチ)の圧着工具を使用していたり、電線サイズに対して端子のサイズが大きいし、端子とペアーでない違う種類の圧着ペンチを使用したから、電線と端子の接触不良を起こしたんだよ。
より線の被覆の皮むきにバラツキが有り、芯線の本数も少なく被覆の長さもバラバラなので、電線の被覆は、ワイヤーストリッパーで剥き、剥く長さも一定に保たなきゃいけないね。
ただ救いは、各電源に保護ヒューズを付けていたことだよ。

圧着ペンチ

使い込んで、手に馴染んだ工具は、まるで自分の手の様な間隔がします。

圧着端子作業における詳細な手順と圧着後の確認ポイントを教えて!

圧着作業完了後の品質確認手順は、電気的安全性と機械的強度の両面から実施する必要があります。 電気的な確認では、接続部分の導通テストと絶縁抵抗測定を実施し、規定値内であることを確認します。機械的な確認では、適度な引張り力を加えて接続部分の強度を検証し、端子と導体の分離や変形がないことを確認します。これらの確認作業を怠ると、後日の故障や事故につながる可能性があるため、作業完了の必須工程として位置づけることが重要です。

圧着端子の種類選択と電線適合性確認方法

Q – 1 絶縁圧着端子裸圧着端子の選択において、同じ電線サイズでも使い分けが必要な状況と判断基準を教えてください。
A – 1 絶縁圧着端子と裸圧着端子の選択は、接続先の機器特性と設置環境により決定されます
絶縁圧着端子は、端子台や制御機器への接続に適用され、隣接する端子との短絡防止と作業安全性を重視した設計となっています。
制御盤内の密集配線や、充電部が露出する可能性がある場所では、絶縁圧着端子の使用が必須となります。
裸圧着端子は、ボルト締め接続や大電流回路での使用に適しており、端子の接地面積を最大化することで低い電気抵抗を得られます。
この端子も色別の絶縁スリーブの販売がされており、電線に絶縁スリーブを通し、皮を剥いた電線に端子を通し圧着作業後に絶縁スリーブを端子に被せます。
保守作業時の安全性を考慮し、全ての端子導体部に絶縁スリーブを被せます。

手間を考えると絶縁端子が良いですが、安全性と法的事項を優先し作業に合った選択が重要です。
電気工事士の法規では、用途に応じた適切な端子選択が技術基準として規定されており、違反は法的責任を問われる可能性がありますので、DIYで作業を行う時は、自己責任で施工してください。
圧着ペンチ

このIzumiの絶縁圧着ペンチは、25年以上使用しています。

Q – 2 絶縁圧着端子の圧着において、導体部と被覆部で異なる圧着力が必要な理由と、それぞれの最適な圧着条件について教えてください。
A – 2 導体部被覆部で異なる圧着力が必要な理由は、それぞれが果たす機能的役割の違いにあります。
導体部は、金属同士の冷間圧接により電気的接続を確実なものとし、高い圧着力で、電線と端子を一体の様にする必要があります。
被覆部は、一体化された導体部根元の電線が揺れなどの損傷から、保護するために電線を被覆材で適度に圧縮固定する事で端子根元の電線の損傷を避けます。

Q – 3 圧着端子作業後の品質確認で実施する引張り試験において、規定値と試験方法の詳細、及び不合格時の対処方法を教えてください。
A – 3
圧着端子作業後の引張り試験は、圧着の接続強度を確かめるために、重要な品質確認方法です。
圧着後の確認方法として、圧着済み端子の先端を片方の手で握り、もう片方の手で端子付けした後の電線部分を試引張り力を加えます。
電線のサイズにより手の加減が変わって来ますが、この簡易的な試験で電線が抜けた場合には、端子が電線の心線に合った端子に交換する必要があります。

電線のサイズと端子のサイズが適合している場合は、圧着工具の破損を確認しましょう。

Q – 4 オープンバレル端子の作業の要点は何ですか。
A – 4 電線に絶縁スリーブを入れ、ワイヤーストリッパーを使い電線の皮むきを行い、電線に適合したオープンバレル端子をロケータとダイスに軽く固定し、心線をオープンバレル端子の爪の奥まで入れオープンバレル端子の爪を圧着ペンチでゆっくりと形を整え、最後に爪をハートのような形に圧着し、被覆線の保持も同様の作業を繰り返し、圧着作業が終わると、目視と両手で端子とケブルの引っ張り試験を行い、作業に問題が無ければ、保護被覆を端子のところまで被せます。

Q – 5 DC12Vのバッテリーから大電流で使う端子は、何を選べば良いですか。
A – 5 DC12Vのバイクや車のバッテリーから、大電流を供給する時の配線で気を付ける事は、電流値で、12Vバッテリーに対してアンペアが30Aの時と5Aの時では電線の大きさと、端子の厚みと大きさが変わります。
例えば、12Vで最大5Aの電装機器の通常時の消費電流は約2Aの時に、使用する電線は10Aまで対応できるサイズを選定します。
さらに、端子についても、電線の許容電流に適合したものを選ぶ必要があり、12~24Vで15A程度の許容がある端子を使用すれば安全に使用できます。
例えば、12Vで30アンペアの電動エアコンの場合に、電線サイズの許容が40A以上の電線を選びその電線に合った丈夫な端子を使うと安全です。
大容量電動機電流値(アンペア)は、定格の最大付近近くまで電流値が上がるので、電線や端子に余裕を持ち作業すると安全です。

ケーブルや端子類を定格最大電流付近で電流を流すと、電線の抵抗により、ケーブルや端子が熱を持ち始めます。
● 解り易く例えると、園芸用のホースに100%の水流を流し、ホースの出口で水を止めるとホースが膨張します。
これを電気に例え直すと、最大電流値が電線の抵抗になり、電線に熱を帯びさせます。
● また、ホースに20%の水流を流し、ホースの出口で水を止めるとホースの膨張率は先ほどの100%の時よりも少ないのです。これをまた、電気に例え直すと、電線や端子、機器等に熱が帯びる事が少ないのです。
施工状況にもよりますが、電線や端子の抵抗が大きくなり熱を持つと、電圧降下が始まり、機械が通常の電力を欲します。
その後に電圧降下した電線や端子は、電気をもっと欲することになり、悪循環が生じ、時間の経過と共に、電線が熱障害で固くなり、被覆がカチカチになり大変危険な事態に繋がります。
大電流の電動機の使用の場合は、電気機器の最大電流よりも1~2ランク大きな電線と端子の使用をお勧めします。(電線の総延長にも、大きく関係します)
圧着ペンチ

裸圧着ペンチP,B用です

仕上がり不良の見分け方とやり直し基準(潰れ形状・はみ出し・スリーブ破損)

サイズ不一致や工具の顎摩耗、オープンバレル端子への汎用顎の流用は不具合の典型であり、芯線かしめと被覆かしめのプロファイルを設計通りに作れる専用工具へ切り替えるだけで歩留まりが改善する事例が多く見られます。

外観不良と再圧着の判断

Q – 1 外観でまず疑うべき不良は何ですか?
A – 1 導体のはみ出しや極端な心線の露出オープンバレル端子の耳の折れ方の不均一な曲がりや圧着の不良、被覆支持部の潰れ不足や割れ、樽潰れの過大や偏りは再圧着または廃棄の対象です。同じ作業で不良が繰り返される場合は、ダイスや、端子の選択が誤っている可能性が高いため、試しで圧着を行い、原因を究明しましょう。(工具摩耗や端子が工具に合っているのか確認しましょう

Q – 2 素線が切れる場合の原因は何ですか?
A – 2 過大な潰れなどで芯線が切断されるほか、芯線が奥まで届いておらず一点に力が集中して折損することがあり、対策はダイスサイズと端子のサイズが有っていない、工具の摩耗確認が必須です。
圧着後にスマホなどで写真を撮り、写真を拡大し確認するのも良いし、端子の先端と圧着した電線を引っ張り、芯線の抜けや、異常がないかを確かめてると良いでしょう。

Q – 3 被覆支持部が緩い、または強すぎる場合の影響は?
A – 3 被覆支持部が緩い緩い、締まりが強いという事は、電線のサイズと端子サイズが適合していない可能性が有ります。
電線と端子の確認をし、再度作業をしましょう。
もし、強く締まった場合は、端子の被覆部分の横(電線に当たっていない被覆部をニッパーで切り、電線がどの様になっているか確認することも重要です。(この時に端子は使えないので、端子を付け直す必要があります

Q – 4 不良が出た端子は再圧着しても良いですか。
A – 4 原則は廃棄します
再圧着は変形済みバレルの塑性履歴が異なるため、適正な潰れ形状が得られず内部欠陥を残す危険がありますので、端子を交換して再施工しましょう。

Q – 5 過圧着と不足圧着は見分けられますか。
A – 5 過圧着はバレルが極端に薄く延びて耳が尖り素線切断が見られ、不足圧着芯線と端子の隙間が多く、電線と端子を引張ると芯線が端子から抜けやすい傾向があるため、見本になる圧着済の端子が有れば、比較して判断し圧着の深さを確認しましょう。

Q – 6 圧着ペンチのハンドルが重く戻りも遅く感じます。
A – 6 圧着する時にハンドルが重く、圧着後もハンドルの戻りが重く、遅い場合には、圧着ペンチのヒンジ、ラチエットのギア部分に潤滑油などを注油し、使用後は、ダイスやヒンジに汚れが有る場合は、速やかにふき取ると、長い期間工具を使う事が出来るでしょう。

圧着ペンチ

電工の必需品ロブスターAK-17圧着ペンチです。

締めくくり

本記事では、圧着ペンチという専用で専門の工具の持つ実用性について、多角的な視点から詳細に検証してまいりました。
作業環境に応じた選択基準、リングスリーブと絶縁圧着端子それぞれの作業手順、品質の確認方法、プロフェッショナルが実践している技術を解り易く改質しました。
特に重要なのは、誰が作業してもバラツキのない圧着ペンチの使用法と確認、それは作業者の技術レベルの差による品質ばらつきを最小化し、常に安定した接続品質を確保できることです。
電気工事の分野での技術革新が続いていますが、確実な圧着接続技術は、今後も変わらず重要な技術として位置づけられます。
読者の皆様が本記事で得た知識を実際の作業に活用し、より高品質で安全な電気設備の構築に貢献されることを心から願っております。